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O) 星に願いを

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「って、アレだろ?ほら、ファンタジーの時とかでさぁ」

ちゃーん、ちゃーん、ちゃーんちゃちゃちゃんちゃんって言う…

「春斗君。それは、虹の彼方にですよ。オズの魔法使いですね」

そっちではないですよ。そう言って微笑ましく歌う春斗を見つめる廉。

「それで、その曲が何なんだ?」
「今日は七夕ですからね。星に願いを…っと言うことで、ふと思い出して懐かしくなったんです」

幼少の頃は、よく見ていたんですよ。

「ほら、あの主人公って、嘘をつくと鼻が伸びてしまうでしょう?子供心に、恐怖したものです」
「へぇ~。俺、多分弾けるぜ?」

そう言うと、部屋に置かれていたピアノへと近付き、おもむろに鍵盤に手を添えると何度か音を確める様にして音をならし

「うん」

そう頷くと、曲を弾きだした。

~~~~~~♪

廉が呆然としている間も悠然と曲を弾き、徐々に楽しくなってきたのか次第に笑顔が出てきた。
そのまま曲を弾き終えると、ドヤ顔で廉を振り返る。

「凄いですね!春斗君、そんな素晴らしい才能があったんですねっ!!!」
「べ、別にコレぐらいフツーだろっ」

手放しでべた褒めの廉に、照れる春斗。
普通じゃ出来ないなんてツッコむ人物は、残念ながらここにはいない。

「この前、廉が好きだって言ってたのも弾けんぜ」
「本当ですか?春斗君、流石です!」
「お、おうっ♪」

……一体何が流石なのかも分からないが、とりあえず二人はそんな事に気が付いていない。
夜空で恋人たちが会瀬を重ねる時、地上でも恋人たちが会瀬を楽しんでいた。

「次は~」
「素晴らしいっ!!!」


……かなり、変わった会瀬をではあるが。



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